今回の会見では、緊急事態宣言の効果について「自粛疲れと慣れ」に関する質問もあがった。
これについて菅首相は「春と夏に続き3回目の感染拡大であって、たしかに国民の皆さんには慣れや疲れがあるというふうに思っています」としながら、「なんとしても減少方向に持っていかなければならない」と「4つの対策」への協力を呼びかけた。
一方、会見に同席した政府の分科会の尾身茂会長は菅首相にコメントを求められ、こう述べた。
「国民の自粛疲れということで、去年くらいからなかなか協力が得られなかったのはいくつか理由があると思います。ひとつはウイルスの特徴として、無症状や軽症の人が多いということが昨年4月に比べて分かったということ」
「それから、長い間自粛して、いわば辟易感があった。また、緊急事態宣言が出されたことで今はなくなりましたが、一時は国と自治体の一体感がなかったということがあると思います」
そのうえで尾身会長は「国民の行動変容という意味ではいろいろなことが大事ですが、もっともやるべきことは、昼夜を問わず外出をなるべく控えることだと思います」と、菅首相に増して言葉に力を込めた。
また、「時短はこれまでの経験で、一定程度効果があることがわかっています。しかし、緊急事態宣言を出すような今の状況においては、それだけでは感染を下火にすることはできない」とも指摘。4つのポイントに加え、より強い時短や休業要請も選択肢であるという見解を示した。
そもそも、今回の緊急事態宣言に向けてつくられた政府の基本的対処方針では人々の移動について、「不要不急の外出・移動の自粛」「特に午後8時以降の外出自粛」と記されていた。
しかし、菅首相は1月7日の会見で後者の「午後8時以降の外出自粛」のみを強調していた。今回の会見では、改めて「日中の外出自粛」についても強く呼びかけられたことになる。
そのほか菅首相は、外国人の全面的な入国制限のほか、医療体制の確保・支援、都道府県との連携強化や、2月末までにワクチン接種の開始することなどについても改めて訴えた。